競馬人物誌

若き夫婦馬好きの巻

(秋華賞のファインモーション号)
八幡ウインズにいつも夫婦で来ている、まだ若い夫婦の競馬好きが居る。いつもテレビの一番
前で良くオッズとにらめっこしている。最初は奥さんと思しき人だけかと思っていたら、午後から
旦那らしい人が来て夫婦連れと判ったような訳である。
この人たちがこれからの競馬ファンの代表であろう。品性のない馬券オヤジの世界ももうそろそ
ろ終焉を迎える時期なのかも知れない。「差せ、差してみぃ〜!」とかいうオヤジの競馬も楽しい
が、周りでは単にうるさいオヤジと思われているだけかもしれないのである。

この夫婦は決して品のない絶叫とかはしない。冷静でもある。賭け事で勝つに大事なのはこの
冷静さである。勝ち負けに拘りは誰でもあろうが、だからといって熱くなるのもマイナス現象。
毎週必ず顔を出せるのはいい勝負をしている証拠でもある。この夫婦は別々の馬券である。理
由は共稼ぎであり、財布も別管理としている。従って、夫婦2人揃って勝つということは、滅多に
ない。奥さんは割と手堅い馬券であり、ダンナは一発逆転型の馬券である。

ある日G1のレースで、奥さんの持つ手堅い馬券がものになりそうなゴール前が訪れた。ダンナ
の穴馬がゴール寸前大外から急襲する。ダンナは必死であり、小声で「突っ込め!」。
ダンナの願いとおり穴馬が大外から良く伸び、前を捕らえて2着入線。しかし、このダンナは1着
馬にからめた馬券は持たず惜しくも外れ。一方、手堅い馬券の奥さんの方も、穴馬に邪魔され、
これまたパー。この日は普段仲の良い夫婦も、会話にトゲがある結果に成ったのは止むを得まい。


[戻る]