競馬人物誌
広島太郎の巻
(桜花賞のアローキャリー号)
広島のウインズで名物おやじと言えば、筆頭はこの人物だ。私も詳しくは知らない。
ウインズの2階か3階かに毎週居座っている。まずその様相が異様で度肝を抜かれる。
ボロボロのマントのようなものを羽織っており、そのマントらしきものには缶詰の空き
缶を紐で何個もつなげている。太郎オヤジが歩けばその空き缶はカラカラと引きずられ
て音を出すのであろう。何かしら、ホームレスのように思えるが実際は判らない。
いつも決まった場所のテレビの前にどっかと腰を降ろして陣取っているので、イヤでも
目に付く。しかし、馬券を買っているのを見たことはないから、見ているだけかも知れ
ない。いや、実は数百万単位で馬券を購入しているのかもと、思うこともあるが。
競馬がなにより好きなのか?・・・かなり大柄の人物なのでその風貌にも大人物の貫禄
がにじみ出ている気はする。ここの常連さんは誰でも知っている名物オヤジであること
は間違いがない。競馬場やウインズには服の背中にべっとりと泥をつけているオヤジが
居たりするからめったなことでは驚かないが、風貌の特異さは全国ナンバーワン。
まあ、こういう名物オヤジもここ数年でお目にかからなくなると思われる。それだけ
競馬は大衆化し、場内も美化されてきている。
広島太郎とだけは話をしたことは無い。何故広島太郎なのか?、どういう運命を辿って
現在があるのか。その後、広島ウインズに行く機会がないので消息は不明である。
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