競馬人物誌

博多の貧乏神の巻

(秋華賞のファインモーション号)
博多から八幡のウインズ迄遠距離はるばる訪れる人は多い。この人もその一人である。
なぜ貧乏神なのかは不明であるが、おそらくこのオヤジが来ると良いことがない人が
多いのであろう。かといって毒々しい人物かといえばそうでもない。
顔見せると「何買うと〜?」と博多弁である。新聞は決まって日刊スポーツ紙や九州
スポーツ紙が愛用で、専門紙は持たない主義である。

遠路はるばるやって来るのであるから、競馬にはさぞや熱心であろうかとこちらは
勝手に想像するがそのようにも見えない。というのはこの人はしばらくすると、どっか
床に座り込み眠ってしまうのである。
レースが始まると目を覚ますかと思いきや全然その気配はない。周りが気をもんで
「とうちゃん、スタートするよ」と教えても、相変わらず眠りこけている。
腕組みしながら気持ち良さそうに眠っている。馬券を取ったという話はあまり聞かない
から上手いともいえないし、何をしに来ているのかわかんね〜な。
まあ、毎週ここに顔を出す人は皆変わり者ばかりだし、他人のことを言えた義理でもな
い。しかし、レースの瞬間くらいはテレビを見てよ!

馬券は穴党らしくときたま、大声を出すが大概外れる悲しい運命を背負っているようで
ある。運がない人っているけど、この人もそうなのか。貧乏神なのだから


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